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BFの臨床応用

BFを臨床現場で用いる場合、特定の生理反応を自己コントロールする「直接法」と、全身の弛緩反応を引き出すためのリラクセーション法習得目的の「間接法」に大きく分けられます。また、BF単独で用いられる場合と、他の心理療法やリラクセーション法と組み合わせたり、生活習慣病などの慢性疾患におけるセルフケア導入時の動機づけ目的で用いられています。

BFの臨床応用イメージ

1.直接法としての応用

筋肉の過剰な緊張状態が持続しており、痛みや症状の原因となっている場合(例:緊張型頭痛・筋痛症・痙性斜頸など)や逆に括約筋の弛緩状態(尿・便失禁など)、脳神経障害による運動麻痺などでは、筋電位がフィードバック信号として用いられ、筋肉を直接弛緩や緊張させる方法を学習します。その他、レイノー病や片頭痛における末梢皮膚温の上昇訓練や、脳波(β・θ波)のフィードバック訓練によるADD/ADHD(注意欠陥多動性障害)の治療などがあげられます。

2.間接法としての応用

不安・緊張などにより痛みの閾値が低下している慢性疼痛や術後疼痛などのほか、リラクセーション法を学習することで症状の緩和が期待できる場合(過敏性腸症候群・本態性高血圧など)に、末梢皮膚温・筋電位・皮膚電気活動・脳波などを使ったBFが行われます。この場合、BF単独で行うよりも他のリラクセーション法(呼吸法・自律訓練法など)と組み合わせることが多くあります。

看護における利用例

BFは患者のセルフケアを促す手段としても非常に効果的です。そのため米国では看護に必要な技法として認められており、看護教育カリキュラムのなかにも含められるようになってきています。
また臨床的には、看護ケアとしてのみならず直接の治療効果も期待できるため、医師と共同でチーム医療も行われています。
例えば、失禁(尿・便)や生活習慣病などの慢性疾患の指導や予防にBFが用いられており、特に腹圧性尿失禁では、骨盤底筋群の筋電位BFトレーニングが著効するといわれています。

看護における利用例イメージ

看護における利用例イメージ

米国では現在、骨盤底筋群の収縮トレーニング用プロトコールがあらかじめ組み込まれたものや、自宅でのホームトレーニング用の各種筋電図のBF機器が市販されています。
また、こころと身体がいかに密接に関連しているかを患者自身が身をもって納得できるため、慢性疾患のセルフケアを指導していくうえにおいて非常に応用範囲が広い手法です。
とくにストレスマネジメントの一環としての各種リラクセーション法の指導においては、自律訓練法・呼吸法・筋弛緩法などの習得過程において、BFは実際に身体レベルでもリラクセーションが得られているかが確認できます。